
ルムル
そんで、手伝いに来てくれたんだったよな。
けど、何か用事があってトレノに来たんだろ?
魔物を倒してくれただけでも十分だし、無理しなくてもいいんだぜ?
クルル
実は私たち、霧の大陸の現状を知るためにここへ来たのよ。
ルムル
この大陸のってことは、お客人たちは海向こうから渡ってきたのか。
クルル
ああいえ、その・・・・・・・・・・・・。
アレクサンドリアから来た、と言ったら、事情を汲んでもらえる・・・・・・?
ルムル
アレクサンドリアだって?
あの国がどこかで無事ってことなら、そりゃあ何よりだけど・・・・・・。
いや、恩人の事情に深入りしすぎるのは違うか。
丸ごと消えた国の奴と会ったことなんてなかったから、思わず身構えちまった!
悪い、悪い!
クルル
いえ、どうか気にしないで。
こちらこそ気を揉ませてしまってごめんなさい。
私たち、トレノに初めて来たものだから、ここの暮らしぶりを知りたいと思っているのよ。
それで、お手伝いを通じてみなさんとお話しできたらなと・・・・・・。
ルムル
ははぁー、なるほど、なるほど。
だったらさ、こういうのはどうだ?
さっき渡した薬湯を、同胞たちに配ってきてほしいんだ。
いつもならみんな受け取りにきてる頃合いなんだけど、今回は魔物が多かったし、復旧作業に追われてそうでさ。
まだ飲めてない奴が多いんだよ。
作業中でも、薬湯を渡せば一服がてら話せるだろ?
それに、外からのお客人は何年ぶりかわかんないぐらいだから、きっとみんなも声をかけられたら喜ぶぜ。

クルル
お気遣いありがとう、ルムルさん。
ぜひ配布を手伝わせて。
ルムル
助かるぜ!
じゃあ「眠らずの薬湯」を渡しておくな。
俺はタウンホールのほうに届けてくるから、街の奴らへの配布は任せたぜ!
ーグ・ラハ・ティア
アレクサンドリアの消失については、いろいろと思うところがありそうな印象だったな。
知り合いが転移に巻き込まれたって可能性もあるか・・・・・・。
クルル
ここの人たちとゆっくり話してまわりたいけれど、薬湯の配布は急いだほうがよさそうよね。
手分けしてもかまわないかしら?
さにすと
お安い御用だ!
グ・ラハ・ティア
もちろん、オレも喜んで協力するぞ。
クルル
ありがとう、ふたりとも!
ルムルさんから預かった「眠らずの薬湯」をわけておくわね。
さにすとさんは、街の南側をお願い。
北側は私とラハくんで分担しましょう。
もし、トレノでの暮らしに関する話を聞けたら、あとで共有してもらえると嬉しいわ。
どうかよろしくね!

休憩中の市民
もしかして、あんたが例の「お客人」か。
どうした、道にでも迷ったのかい?

休憩中の市民
薬湯を持ってきてくれたのか、ありがたい。
魔物を解体場へ運んでたから強い雷気を浴びちまってな、麻痺の症状が出てたもんで休んでたんだ。
おいらたちは、障壁の外へ狩りに出ないから、街に入り込んでくる魔物が貴重な資源になっててね。
多少危なかろうとも、きっちり回収して活用してるのさ。
強烈な雷エーテルを纏ってる魔物の粗皮は特に重要だ。
特殊な皮なめし剤で性質を整えてやれば、防雷性の高い服の素材にもなるからな。
あんたがたが魔物を倒してくれたおかげで、貴重な資源も回収できたし、本当に助かったよ。
ー休憩中の市民
そういえば、昔は大型の魔物を狩るときに、投石機を使って、標的の背中まで同胞を飛ばしてたらしい。
お客人がいなかったら、誰かが空を舞ってたかもしれないな・・・・・・。

書物を手にした市民
あなた、さっき戦ってくれてたお客人様ね!
声をかけてくれて嬉しいわ。

書物を手にした市民
あら、薬湯を持ってきてくれたの?
どうもありがとう、戦ったあとの疲れた身体には不可欠なのよ。
それにしても、今日はずいぶんと魔物が多くて大変だったわ。
でもそのおかげで、いつになく戦闘の経験を積めたし、あなたたちの戦いぶりを見て勉強になったぁ・・・・・・!
復旧作業が終わったら、すぐにでも魔道書の改良に取り組まなきゃ!
私たちの魔法は、魔道書に刻まれた魔紋が威力を大きく左右するからね。
先人の知識を継承しながら、今も発展させてるのよ。
ー書物を手にした市民
魔道書を改良するのは楽しいんだけど、綺麗な円を描くのって難しいと思わない・・・・・・?
油断すると魔紋が歪んじゃうのよねぇ。

点検中の市民
君、見ない顔ですが・・・・・・。
そうか、ルムルが言っていたお客人でしたか。

点検中の市民
まさか、薬湯を届けてくれるとは・・・・・・。
設備の点検に手間取っていたので、助かりました。
これを飲むと、戦いが終わったんだなってひと息つけるんです。
実は、この薬湯に使われている薬草は、僕の植物プラントで育てたものでして・・・・・・。
侵入してきた魔物の外皮に付着していた種を育てたら、雷属性への耐性を高める効能があることがわかったんです。
あれは近年稀に見る大発見だったな・・・・・・。
今日は魔物の数が多かったし、新しい種が見つかるかも。
外皮だけでなく、胃袋なんかも調べてみるとしますよ。
ー点検中の市民
薬草だけでなく、都市内に咲いている花なんかも、魔物から得られた種を使って交配したものなんですよ。
ーグ・ラハ・ティア
おかえり、そっちも配り終わったみたいだな。
クルル
さにすとさん、おかえりなさい。
薬湯の配布、おつかれさま。
ちょっと私、住民の方から預かり物があって・・・・・・。
ルムルさんへ渡してほしいって頼まれているから、彼が戻るのを少し待たせて欲しいの。
よければその間に、あなたが聞いてきた話を教えてもらえる?

クルル
いろいろと聞いてきてくれたのね、ありがとう。
私は薬湯を届けがてら、負傷者の治療をお手伝いしてきたの。
ミララ族の治療魔法は、スフェーンの魔法とそっくりだった。
彼女が教えを受けた家庭教師がミララ族だったのか、あるいは、第九世界では長年主流の魔法体系なのか・・・・・・。
それに、魔道書と魔紋の話は、巴術との類似性を強く感じる。
どちらも南洋諸島の魔法体系が源流なんでしょうけど、ふたつの世界で同様の発展をしてきたのだとしたら興味深いわ。
グ・ラハ・ティア
クルルが在籍していた魔法学部の奴らが聞いたら、我先にと論文のテーマにしそうだな。
クルル
それで、ラハくんはどんな話を聞けたの?

グ・ラハ・ティア
倉庫番と話して、トレノの物流について教えてもらった。
「霧の大陸」には、ほかにもごく少数ではあるが、残存している集落があるらしい。
そことのやりとりは、主に貨物列車でやってるそうだ。
ただ、トレノに魔物が侵入した影響で、今は途中駅に緊急停車中。
安全装置が働くと、しばらく動かせないらしい。
あとは海路も時折使うものの、総じて流通する物資は少ない。
ほとんどが自給自足で、どうにかやりくりしてるって話だった。

クルル
物資は限られ、環境的に麻痺症状を抱える人も少なくない・・・・・・。
魔物は侵入してくるし、それで負傷することだってある。
けれど、話してみると誰もが前向きで、この環境と折り合いをつけながら、今を懸命に生きているわ。
グ・ラハ・ティア
どんなに過酷な環境だったとしても、そこで人が生きている限り、未来への希望が絶えることはない。
だからこそ、明日が少しでもいい日になるようにと、街を整備して、線路を敷いて、次の世代へと繋いでいくんだ。
きっと、そんな人々の想いが積み重なって、この街は続いてきたんだろうな。
クルル
トレノは、たくましい街ね。

グ・ラハ・ティア
おかえり、ルムル。
何かあったのか?
ルムル
それが、マズいもんを失くしちまったみたいでさ・・・・・・。
探しながら戻ってきたんだけど、見つからなくてよ。
クルル
あっ!
もしかして、これのことかしら?
薬湯を届けにいったときに預かったのよ。
あなたの持ち物のはずだから、渡しておいてほしいって。

ルムル
ああーーっ!
そうそう、それだよ、それ!!
預かってきてくれて助かったぜ・・・・・・。
グ・ラハ・ティア
その機械、探知機か何かか?
ルムル
おっ、もしかしてこういう機器に強いタイプか?
こいつは「魔物探知機」っていってな、障壁内に侵入した魔物を検知する道具なんだ。
グ・ラハ・ティア
ああ、だから魔物が倒されてすぐに、狩りが終わったって放送を流すことができたのか。
ルムル
そういうこった!
魔物はもういないが、こうやって起動してやれば・・・・・・



ルムル
やばい、やばい、やばい!
また壊したって怒られる・・・・・・!!
な、なあ・・・・・・・・・・・・。
妹の「エヤネ」に会ってみないか・・・・・・?
エレクトロープ技師をやってるから、いろいろ話も聞けるぜ?
クルル
もしかして、その機械も妹さんが作ったものなの?
ルムル
そ、そうそう、そうなんだ!
ここの住民からも頼られてる、自慢の妹で・・・・・・
・・・・・・・・・・・・怒ると怖いけど。
お客人が一緒なら、そんなに怒られないはず・・・・・・?
いや、手伝いが必要な作業があるかもしれないし!?
トレノのエレクトロープ事情も聞けるだろうからさ・・・・・・!
たっ、頼むよーーっ!

クルル
かわいそうだから、一緒に行ってあげましょうか・・・・・・。
ークルル
ルムルさんったら、妹さんには頭が上がらないって感じね。
ーグ・ラハ・ティア
ここのドームはアレクサンドリアのものと似てるって、さっきスフェーンが言ってたよな。
エレクトロープ機器の規格は両国共通なのか・・・・・・?


