クルル
それじゃあ、さっそく本題にと言いたいところだけど・・・・・・
ここで立ち話を続けていたら、お仕事をされてる方々の邪魔になってしまうわね。
ひとまず、浜辺のほうまで移動しましょうか。

スフェーン
トライヨラは、本当に自然が豊かだね。
シェール
どこまでも続く広大な海に、日々様変わりする空・・・・・・。
初めて目の当たりにしたときは、心底驚きましたよ。
記録の中でしか知らないものばかりでしたから。
それに、空と海の境・・・・・・「水平線」でしたか。
あれの先にも人が暮らす土地があるなんて、不思議な心地です。
クルル
私たちはトラル大陸出身ではないから、まさにあの水平線の向こうから来たのよ。
・・・・・・って、思っていたのだけどねぇ。

スフェーン
クルルは、私やシェールと同じ・・・・・・第九世界って呼ばれてるところの出身、だったんだよね?
クルル
当たり前に生きてきたこの世界ではない、別の世界の出身だなんて聞かされても、最初は実感がなかったわ。
だけど、リビング・メモリーで永久人となった両親に出会って、ようやく当事者としての自覚が芽生えたというか・・・・・・。
スフェーン
目覚めたときの私と同じだね。
みんなが聞かせてくれた話に対して実感が湧いたのは、街を歩いて、自分自身で体感したときだったから。
クルル
それ以来、自分の出自とちゃんと向き合うためにも、第九世界やミララ族のことを、もっと知りたいと思っていたの。
「鍵」の調査を進めていけば、自ずとそうなるんじゃないかとも考えていたのだけれど・・・・・・研究施設の再調査には、まだ時間が必要って話だったでしょう?
だから改めて別の方向から、第九世界について調べてみてもいいかしら?

グラハティア
オレは異論なしだ。
これから何を調べるにしても、あの世界に関する知識は役に立つはずだからな。
ヤシュトラ
私も同意見よ。
アシエンの痕跡を探るためというのはもとより、個人的な好奇心としても、興味をそそられるもの。
スフェーン
そういうことなら、私も協力できると思う。
あっちの世界のことなら、説明できることもあるし・・・・・・。
もともとのアレクアンドリアは、あっちの、「霧の大陸」って呼ばれてる場所にあったんだ。
その全土を巻き込んだ戦いが、みんなも知ってる雷光対戦。
大国が次々に崩壊していくなかで、最後まで国の体裁を保てたのは、アレクサンドリアだけだった。
クルル
たしか、雷光対戦の末期、世界的に雷属性が強まって、各地で災害が発生したのよね?
グラハティア
戦争による勝敗というより、その災害で他国は崩壊した・・・・・・。
城から持ち帰ってきた本にも、そんな話が書かれていたな。
スフェーン
アレクサンドリアの城下町も、ただでは済まなくて・・・・・・。
オーティスと一緒に、飛空艇でみんなの救助に向かったんだけど、結局、少なくない犠牲が出てしまったんだ。

スフェーン
そんな環境下で生きるために、私たちの国は障壁の中へと引きこもった。
他国からの難民を、可能なかぎり受け入れながら・・・・・・。
ただ、ガバメントの出入国管理システムによると、ほんの僅かではあるけど、障壁の外と行き来する人もいたみたい。
クルル
アレクサンドリアのほかにも、人里が残っていたということ!?
私、ドームの外は災害の影響で崩壊してしまって、人が生きられない環境になったとばかり・・・・・・。
シェール
僕も記録で見た程度ですが、災害直後はまさしく壊滅状態だったようですよ。
そこからあえて障壁の外で暮らすことを選んだ人たちが、何を思い、どれほどの苦労をしたのかは、想像を絶するものがあります。
スフェーン
災害から400年以上・・・・・・。
今の時代まで残り続けている集落があるとすれば、どうにか生活は確率できているんだろうけど・・・・・・。
ヤシュトラ
アレクサンドリアが原初世界に来てしまった以上、「霧の大陸」の現状はわからないわね。
クルル
どうにかして、確認する方法はないものかしら。
リビング・メモリーは、第九世界に取り残されている・・・・・・。
あそこから昇降機や転移装置で地上へ降りられたらいいのだけど。
スフェーン
エバーキープ周辺がこちらへ転移してなお上空にあるのなら、もともと、あの層は浮遊してた・・・・・・?
グラハティア
だとしたら、物理的に下層と繋がっていなくても、行き来できる移動手段があるかもしれない、か。
シェール
現地の機械兵は、設備のメンテナンスも担ってるはずです。
スフェーン様から彼らに問い合わせれば、何か聞けるかもしれませんね。
スフェーン
そういうわけで、行ってみる?
クルル
可能性があるのなら、ぜひお願いしたいわ!
できれば、あなたにも来てもらえると心強いのだけれど、同行を頼んでもいいかしら・・・・・・?

さにすと
一緒に行こう。
クルル
ありがとう!
どうかよろしくね。
ークルル
アシエンのこと、「鍵」のこと、そしてミララ族のこと・・・・・・。
せっかくみんなが協力してくれるのだから、何かひとつでも手がかりを得たいわね。
ーヤシュトラ
第九世界に関する私たちの知識は、アレクサンドリアの外にまで、ほとんど及んでいない。
かろうじて、隣国リンドブルムについて聞きかじったぐらいよ。
けれど、もし地上へ降りることができたなら・・・・・・いったいどんな事実を知れるのかしらね。
ースフェーン
機械兵への問い合わせは任せて。
クルルのためにも、地上へ向かう方法を見つけないと。
ーグラハティア
人が人のまま生きられる環境には限度がある。
逆に言えば、どれだけ厳しい状況だったとしても、生存可能な世界であれば、人は工夫して暮らしていくものさ。
第一世界がそうであったように・・・・・・。

シェール
さて・・・・・・。
名残惜しいですが、解読処理の経過も気になるので、僕はアレクサンドリアへ戻ることにします。
ソシューション・ナインへ戻ったら、また顔を出してください。
皆さんが調べものをできるように、準備を進めておきますよ。
では、どうかお気をつけて。
クルル
それじゃあ、私たちもリビング・メモリーへ出発ね。
準備が整ったら、「レイノード・メモリス」で合流しましょう。

ークルル
もう大丈夫だってわかっていても、機械兵を前にすると、ついつい身構えちゃうわね・・・・・・。
ーグラハティア
ちょうどスフェーンが機械兵を呼んでくれたところだ。
ひとまず、一緒に話を聞いてみよう。
ーヤシュトラ
さて、地上へ降りる方法が見つかるといいのだけれど。
ークラークPX-0093
スフェーン様、それからお連れのみなさん、リビング・メモリーへようこそ!
何かお困りですか?
スフェーン
話を聞けそうな機械兵に来てもらったから、さっそく問い合わせてみるね。
クラークPX-0093。
私たちは、ここから地上へ降りたいんだけど、使用できる移動手段はあるかな?
クラークPX-0093
大変、申し訳ございません!
現在、リビング・メモリーは基部との接続断絶に伴い、浮遊機構を用いて独立運用中です。
そのため、通常の移動手段・・・・・・レイノードおよび昇降機による降下は不可能となっています!
グラハティア
駄目か・・・・・・。
もともと最上層だけが浮かんでいたわけではないなら、状況は普通じゃないもんな。
ヤシュトラ
あら、諦めるのは早くてよ?
この機械兵が使えないといったのは、あくまでも「通常の移動手段」なのだから・・・・・・。
こうした設備のトラブルに備えた、「緊急時用の移動手段」があるのではなくて?

クラークPX-0093
避難誘導プロトコル、実行・・・・・・。
脱出用「飛空艇」が使用できることを確認しました!
こちらへ呼び寄せますか?
クルル
飛空艇・・・・・・!
スフェーン
調べてくれてありがとう。
さっそく呼び寄せてもらえるかな?
クラークPX-0093
かしこまりました!
スフェーン様の権限により、諸手続きは省略いたします。
ーグラハティア
なるほど、緊急避難用か。
有事の国民をまとめて降ろすとなると、飛空艇を使うのが便利そうだ。
ークルル
よかった・・・・・・!
飛空艇なら地上へ降りられそうね!
ーヤシュトラ
うまくいったわね。
下へ降りるのが楽しみだわ。
ースフェーン
やったね、移動手段が見つかってよかった。
霧の大陸の今を知るのは、少し怖くもあるけど、アレクサンドリアの王として、ちゃんと確かめないとね。
クラークPX-0093
飛空艇の点検が完了・・・・・・。
現在、リメンバー・ゲートに向けて航行中です!
到着するまで、もう少々お待ちください!

スフェーン
これって・・・・・・もしかして、私が使っていたのと同じ飛空艇?
クラークPX-0093
緊急脱出用に新造されたものですが、外装は、雷光大戦期の王族専用艇を模しております!
スフェーン
そうだったんだ。
懐かしいものを見られて、なんだが嬉しいな。
クラークPX-0093
では、タラップを出しますのでご搭乗ください!

クラークPX-0093
リビング・メモリーを離れ池上に近づきますと、雷エーテルの嵐の中を航行することになります!
揺れますので、ご注意くださいませ!


スフェーン
アリゼーから渡されたお守りが、反応してる・・・・・・?
ヤシュトラ
第十三世界ほどではないにしても、かなり偏った属性のエーテルが吹き荒れているようね。

グラハティア
ドーム内の環境がいかに安定していたか、思い知らされるな。
スフェーン
そうだね・・・・・・。
ヘリテージファウンド以上に、雷雲が重々しく感じる。

クルル
これが・・・・・・第九世界の今、なのね・・・・・・。
ーグラハティア
あんたとクルルは光の加護があるから問題ないが、オレたちは、護魂の霊鱗がなかったら危なかった・・・・・・。
ヴリトラたちに感謝しないとな。
ーヤシュトラ
こんなにも属性が偏っているとはね・・・・・・。
やはり、急激に環境を変化させた雷光大戦にも、アシエンが関わっていたと考えるべきかしら。
ースフェーン
大きな湖・・・・・・。
ここが、アレクサンドリアがあった場所・・・・・・。
クルル
リビング・メモリーの下が、こんな風になっているだなんて・・・・・・。
でも、地上へ降り立つことができたのは一歩前進かしらね。


